十二月も半ばごろ、我らがプロダクションはそれなりに忙しかった。そりゃそうだ、これからクリスマスや年末年始にかけて様々なイベントが行われるので芸能プロダクションとしてはかき入れ時なのだ。この時期に暇だったりしたら、それはかなりの危機的状況というやつだろう。
 幸いにも仕事があるプロダクションのプロデューサーとしては担当アイドルのスケジュール確認や各種調整に追われていたりもしたんだけど、それもどうにか一段落。やっと一息つけると安堵して、コーヒーを淹れていると背後から声をかけられた。
「プロデューサー、今いいかな」
「ん? どうした、凛」
「相談があるんだけど」


 個性豊かなアイドルたちのおかげで、それなりに忙しいプロデューサー。
 ある日、凛に相談を持ちかけられる。

 凛の家族が年末年始にかけて海外旅行に行くことになったんだけど、凛は仕事があるので東京に残らなければいけない。


「でも、そうすると凛は正月どうするんだ? 家族みんないないんだろ?」
「たまには家族がいない一人の年越しってのもいいかなって」
「でも一人だと寂しくないか?」
「いや、もう高校生なんだし……」
「じゃあ、泊まりに来ますか?」
「楓さん!?」


 そこに現れた救いの女神、その名は高垣楓。


「泊まるって……いいんですか?」
「大して広い家でもないですけど、二〜三人寝るぐらいなら問題ないと思いますし。私も特に予定はないので、いっしょに過ごす相手が増えるなら嬉しいです」


 しかしまあ、楓さんの言うことなので。


「おかしいと思ったなら、その時に聞けば良かったじゃないですか」
「でも、楓さんの言うことだし」
「酷いっ!」
「それももういいですから」
 楓さんは食事を終えてからもよよよと泣き崩れてみせるけど、さすがにもう相手にしない。それでも凛は落ち着かないのか若干おろおろしているものの、これから共同生活をするなら楓さんの扱いかたも学んでいくべきなのだ。
 そう、種を明かせば単純な話。
 楓さんが凛を泊めると言ったのは、楓さんの家ではなく俺の家だったのだ。


 全く学習することなく、楓さんに翻弄されるプロデューサーと凛。
 果たしてこれからどんなことになるのか――



「そうですね、やはり前回できなかったことにチャレンジしてみたいです」
「おお、どんなことですか?」
 俺にそう聞かれて楓さんは、いつになく真剣な表情で答えを返してくれた。
「温泉レポートを」
「……はい?」
「やはり、アイドルと言えば温泉レポート」


 本当に、どんなことになるのか。

 裸Yシャツ友の会がお送りする、アイドル二人とプロデューサーの話。


 文章:右近  表紙:茉乃瀬桔梗

 タイトル:そうだ、温泉レポートしよう。
 本文:A5二段組 42ページ
 頒布予定価格:500円

 本文サンプル(pixiv


 そんなわけで、今回もモバマス本です。
 そしてぶっちゃけ表紙詐欺です。でも全く無関係ってわけじゃないよ! 気になる人は是非見てみて!
 前回は基本的にしぶりんと楓さんがぐだぐだ話してたけど、今回はそれにPも加わります。
 ツッコミが二人になったことで楓さんは大人しくなるのか! うん、無理だよね!
 せめて二人の頑張りをご覧下さい。
 
 そんなわけで、12/31(火)は東ペ-38b「裸Yシャツ友の会」までどうぞ。
 当日は既刊として夏コミで出したモバマス本、あとはオンリーとかサンクリで発行したロボノ本も持ち込みます。
 あとは今回こっそり作ってた月姫SS合同誌なんかも委託してるんじゃないかと。

【C85】裸Yシャツ友の会お品書き by 右近 on pixiv


 ※2013/12/29 お品書きもできました。当日はこれにちょっと細工を追加した看板的なものをスペース上に飾ってると思いますので、よろしくお願いします。


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