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チュン、チチュン。 小鳥の囀りが聞こえる。 「ん、うぅん…」 ベッドの上で軽い背伸びをしながら時計を見る。皆が起き出す時間まで、まだ余裕 私にはちょっと大きい男物のシャツ。 朝の日差しを受けて、白いやわらかな光を反射している。そして、よく気を付けな 「御主人様…」 私の呟きは誰にも聞かれることなく、部屋の中に広がって、そして消えていった。 お屋敷に入ってから、ずっと見ていた御主人様。 いつかこの想いを伝える日がくるのだろうか。伝えられるのだろうか。 「無理だろうなぁ」 私の御主人様は、小さいながらもこの国では有数の財閥の御曹司。それに比べたら私 「…ふぅ」 軽くため息をついて、またシャツをみる。 コンコン。 部屋のドアを軽くノックする音がする。 「…?、お屋敷の皆が起きる時間にはまだ早いはずだけど…」 訝りながらベッドをおりて、はだけたシャツの胸元を押さえてドアをそっと開けると、 「御主人様!?あ、えっと、お、おはようございます」 どうしたんだろう。今までこういう事なかったのに…。少し開けたドアをはさん 「…入っても、いいかな」 半ば強引に押し切られて部屋に入られてしまった。そして部屋の中で見詰め合ったま 私は簡易キッチンでお湯を沸かしながら、自分の鼓動が早くなっていくのを感じてい 「ひゃっ」 突然だったので変な声をあげてしまった。 「ごめん、驚かせたね」 やわらかく、でも意外と力強く抱きしめられている。 「このシャツ、僕の…かな」 意外な答えが返ってきて、私は思わず御主人様の顔を仰ぎ見る。いつものちょっとは 「知っていたよ。君が時々僕のシャツを着ていたこと」 私を抱いている腕に少し力が入る。 「好きだよ。理緒…」 …ドクン… その言葉はまるで電流のように、緊張していた私の心と体を駆け抜けた。 「御主人様、今…」 かすれる声で問い掛けなおす。足が震えて身体から力が抜けていく…。 「好きだ。理緒」 ゆっくりと、でも力強く繰り返された言葉。私のことを初めて名前で呼んでくれた。 「御主人様…」 抱きしめられていた腕が解かれて、私はゆっくりと振り返る。瞳を見つめると、その 伝えよう。私の気持ちをきちんと言葉にして…。 勇気を振り絞って瞳の中の私に向かって口を開く。 「好きです。ずっと、ずっと前から、初めて会った時から好きでした。」 震える声で告げて、目を閉じる。 そっと私の肩に手が置かれて、そしてゆっくりと唇が重ねられる。頭の中がジンと 「ふ…あ…」 どれ位そうしていたのだろう。長かったのか、短かったのかもよく判らない。ただ二人 ボーン、ボーン、ボーン… 柱時計の鐘の音にはっと我に返る。もう皆が起き出す時間だ。 「…御主人様」 あらためて自分の格好に気付いて、たちまち赤面する。 想いを届けてくれたシャツに、一言お礼を言って着替えを急ぐ。 朝食の支度を済ませ廊下に出ると、食堂の入り口でご主人様と会った。 少し顔を赤らめた私は、照れ隠しに明るい声と、とびっきりの笑顔で挨拶をする。 「おはようございます。ご主人様っ」 |
あとがき |
後書きなどっていうか苦しい言い訳(爆) 色んな意味で恥ずかしい出来(T_T)。小学生以下の文章(T_T)。 次があるかどうかはともかく、もうちょい精進します(T_T)。 うえぽん 0:06 99/11/12 |