その日、俺はアルクェイドのマンションに遊びに来ていた。 で、毎度恒例でラーメンを作り、二人でずぞぞとすすっていた。 良く考えてみると昼過ぎにラーメンをすする吸血鬼っていうのは変なものではあるが、アルクェイドがやると不思議と違和感が無い。 まあ、一応料理を作った側としてはおいしそうに食べてもらえると嬉しいわけで。 なんとなくじっと見詰めていると、アルクェイドが顔を上げた。 「どしたの? 志貴」 「いや、美味そうに食べるなー、とか思って」 「だって志貴のラーメン美味しいもの」 「どうも。ほら、ラーメンのびるぞ」 「あ、うん」 また、一心不乱にラーメンをすする純白の吸血姫。 俺も自分の分のラーメンを食べていると、やがてアルクェイドはラーメンを食べ終え、丼を持ってスープを飲む。 こんなとこを見たらロアはどう思うのかな。 アルクェイドの美しさに魅せられ、死徒にまでなった司祭。 この姿を見て、幻滅するのか惚れ直すのか。 そんな事を考えながら、俺もスープを飲むために丼を持つ。 琥珀さんもたまにラーメンを作ってくれるけど、こんな風にスープを飲もうとすると秋葉の雷が落ちてしまう。 ラーメンはこの瞬間が一番いいと思うんだが。 「ねーねー志貴―」 「ん?」 スープが半分ぐらい残った丼をテーブルに置き、問い掛けてくる。 俺もラーメンのスープを飲みながらアルクェイドの話を 「『なまあし』って何?」
ぶぼはあっ!!
「やだ志貴、汚いー!」 「げほ、げほ、げほ……突然何を言い出すんだお前は!」 「もー、スープ吹出してー。ああ、びっくりして丼からスープこぼしちゃったじゃない」 「あ、ごめん。早く拭かないと……」 「あー、もうスカートぐしょぐしょ」 そう言ってアルクェイドはいつもの紺のスカートに手を描け、おもむろに脱ぎ去った。 「染みにならないかなあ……」 アルクェイドがいつも着ている、白い服と紺のスカート。 しかし、紺のスカートを脱いだので、必然的にその下には下着しかない。 「洗濯してくるから、志貴そこかたずけといて」 そう言って床に落ちている紺のスカートを取るために前にかがみ、手を伸ばす。 そうすると俺の前に見えるのは。 白いショーツと白い足。 その白磁のような脚をじっくりと見せ付けられた俺のとるべき行動はただ一つだった。 「あれ、志貴? え? いや、お洗濯しないと。ね? きゃー!!」
−しばらくお待ち下さい−
「志貴のけだものー」 「いや、すまん。その、つい」 「このスカートお気に入りだったのにー」 「いや、本当にすまん」 ラーメンスープをしっかり吸ったアルクェイドのスカートは、多分もう再起不能だった。 「まあいいわ。おかげで『なまあし』の意味がわかったし」 「あー、その。それは」 「で、どうだった?」 「何が?」 「わたしの『なまあし』」
ああ、だかろどうしてこいつは。 頬をほのかに染めながらそんな事を恥ずかしげに聞いてきたりする。
「志貴?」 「教えて欲しいか?」 「うん」
そして俺は 「答えはこれだぁっ!」 「きゃあっ!」 第二ラウンドを開始した。
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