3月○日
今日、先輩と仲良くお料理をしていると、急に姉さんが手伝うといって割り込んできた。
私は内心、邪魔臭いありがたいなと思ったので一緒に料理した。
姉さんの作った料理は私や先輩より美味しかったので、姉さんに嫉妬する。
3月×日
姉さんの手伝いで遠坂邸に出かける。帰ってくると先輩とライダーが楽しくおしゃべりをしていた。ライダーが凄く憎くなったので、ライダーの後頭部めがけて黒い念を送る。
ライダーが急に振り返ったのビクッとした。
3月△日
藤村先生が信楽焼きの狸をお土産に持ってきた。藤村先生は大変阿呆 愉快な人だなと思った。置く場所が無かったので先輩の部屋に置くことになった。ムードもへったくれもなくなってしまい藤村先生を呪う。
3月□日
皆でお花見に行く。
待ち合わせ時間に30分遅れて行くと姉さんしかいなかったので安堵する。
更に5分たっても誰もこないので気分がじくじく悪くなった。
「きしし、そんな時はこれで時間を潰すでやんすよ。」
姉さんは某対戦格闘ゲームを持ち出してきた。
お花見のお弁当のおかずを賭けて勝負する。
結果は惨敗だった。姉さんの白い吸血鬼は永久コンボしか使わなかった。
後ろでいつのまにか先輩とライダーが来ていてマンガを読んでいた。
更に5分待ったが藤村先生はこなかったので置いてゆくことにする。
急にごそごそとコタツの中から這いずって出てくる藤村先生。
「ひへ〜な〜、オイラも連れて行ってくれにょ〜」
「バカヤロウ、三十路前の婚き遅れのお前が来れば任務に支障をきたすとなぜわからん!」
かっこいいセリフを先輩に言われてしまい先輩に嫉妬する。
「まあ、先輩。藤村先生の年増が何かの役に立つかもしれませんよ。」
訳のわかる後輩の面をすると非常にいい気分になった。
藤村先生のお勧めの場所に行くと桜の木はもう切り倒されていた。
藤村先生を影で飲み込む事にする。こうすれば最初から連れて来なかったことと同じになるからだ。
ようやく別の場所でスペースが取れた。
先輩はまたライダーと楽しくおしゃべりをしている。
あやしい。
持ってきた飲み物を一番最初に姉さんに渡した。
あやしい。
ライダーの頭についた桜の花びらを払ってあげてる。私の頭にもついているのに。
あやしい。
私の作ったお弁当より姉さんのお弁当を先に開けた。
あやしい。
あまり、あやしみすぎたのでお腹が減った。
「おお、何と美味そうな弁当よのう。」
「ちょっと待った。あんたは今朝の勝負で負けたはずでやんすよ。」
げえ、姉さんは朝の賭けを覚えていた。
「ふーんだ、今年は野菜が美味しいんですよーだ。」
悔しくなって道端の雑草を口いっぱいほうばる。
「桜、何だそれ、日記か?」
「あ、駄目ですよ先輩。女の子の日記を覗いちゃ。」
「へえ、桜日記なんてつけてたんだ。ちょっと読んでみたいな。」
「絶対駄目です!」
「ふーん、まあ桜のプライバシーだからな。でもどんな事を書いてるんだ?」
「えっと、先輩や姉さんやライダーや藤村先生との楽しい思い出を忘れないように書き残しておこうと思って。」
あー、と先輩は自分の事のように嬉しそうな笑顔をつくる。
「絶対見ちゃだめですよ?」
「わかったってば。」
その方が先輩のためなんだから・・・。
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