デート………?





「先輩、先輩、明日デートしましょう!」

 毎度の事ながら全員揃った食堂で、宮が開口一番そんなことをほざいた。そう、全員揃った食堂で、だ。その場にいた全員の視線が発言者である宮に集中する。あ、いや例外がいた。

「……(もぐもぐ)」

 我関せず、とばかりに食事に集中する静を除いて。しかしながら、爆弾級の発言をかました宮に対する驚きが緩和されるわけでもなく、誰も口を開くことはなかった。俺含む。

「どうしました、先輩? 明日はお休みですよ? 学校もなく、研究の方も一段落。偶にはわたしとのんびり余暇を楽しみませんかぁ?」

 ああ、うん。言ってることは正しいよ。
 明日は休みだ。紛う事なき休みだ。当然学校はない。当たり前だ。
 宮の自由研究の方は確かに一段落している。一日休む余裕は十分にある。
 ついでにその余暇を彼女と過ごすのは正しい余暇の使い方だという自負はある。あるが、

「……何故にお前はそれをこの場で言うよ」

 うんうん、と周りが当然とばかりに頷いた(何が何だかわからない海己と依然お食事中の静は除いて)が、宮は首を傾げるばかり。

「いえ、とある筋から『恋人のマンネリ化を避けるためには刺激が必要』と助言を頂きまして…それで僭越ながら衆人環視の中、先輩をデートに誘うという羞恥プレイをですね」
「いや、マンネリも何も俺ら付き合って一ヶ月弱なんだけど」

 飽きるとか飽きない以前の問題だ。ていうか羞恥プレイを通り越して何か周りの視線が痛いんですけど。つか、誰だそんな余計な助言をしやがった奴は。しかもわかってない。

「まあ、いい。宮、ちょっとそこに座り込め」
「はいっ」
  
 俺の憮然とした言い方に腹も立てず、というかむしろちょっと嬉しそうに宮は席に着いた。まああれだ。間違った方向に進んだ彼女を矯正するのも彼氏の役目という奴だ。何しろきちんとしておかないと後が怖い。主に後ろから穏やかな笑顔で凍る殺気を放つ女傑とかな。
 
「あのな、確かにマンネリ化を避けるために刺激ってのはある意味で間違ってない。大きな声じゃ言えないが、様々な例が世の中にあるのは認めよう」
「はい」
「けどな、今のお前のやり方は減点。てか、一応ここは寮なわけで。名目上だけど寮長兼教師もいるからな」
「名目上、じゃなくて事実上の寮長でしょうがー」

 さえちゃんが口を挟むが無視。今は大事な時間なのだから。

「そもそもな、俺らの場合、デートつっても成り行きだったり、適当だったりで行き当たりばったりだったんだから、誘って待ち合わせ、っつーだけでも新鮮になるわけだよ。そこんとこわかってるか?」
「ああ、なるほど…そういう考え方もありますね」
「だろ?」
「意外な落とし穴でした…。先輩とはいつも一緒にいたので、気付かない点でしたね…」

 うんうん、その通り。たまには視点を変えてみると見えてくることもあるんだ。宮がその点に気がついてくれて、俺も嬉しい限り。

「と、言うことは…、敢えてここではなく、先輩の部屋にわざわざそれだけを伝えに行く、という方法でもよかったというわけですね!?」
「そう、それだ。実際、事前に打ち合わせなんかしたことないからな、俺ら。そろそろ就寝時間で、お前は俺の部屋の前に立ってだな」
「あ〜、なんとなく浮かんできます。先輩を誘いたいんですけど、もう寝ちゃったかな、とかまだ起きてるかな? なんて悩んでしまって、それでいて意味もなくドアの前をうろうろと」
「それだ、そのイマジネーションだ。俺の方は、ドアの前に誰かいるのはとっくに気がついてるんだけど中々声をかけられなくてな!」
「はいはいはい! それで、わたしが意を決してドアを開けようとしたら、ちょうど先輩も同時にドアを開けようとして鉢合わせしちゃって〜」
「そこだ! お前が俺をデートに誘うのは、そのお互いにちょっと気まずそうなそれでいて、嬉し恥ずかしい雰囲気の中でしかありえない!」
「せ、先輩…その…明日お暇ですか…?」
「あ、ああ、別に用事はないぞ」
「あ、あのですねぇ、もしも、その…よろしかったら明日一緒に…」

 うんうん、宮もこれで正しいマンネリ化の解消法というのがわかっただろう。二人で徐々にヒートアップする傍らで、

「………はぁ」
「何なの、あの馬鹿ップル?」

 会長のため息とさえちゃんの心底呆れたツッコミがやけに俺の耳に強く残ったりした。




 んでまあ翌日。寮生の冷たい視線を浴びながら、俺は待ち合わせ場所へと出かけた。9月も半ば、まだまだ日差しは強いので暑い。時計を見ながら俺はのんびりと宮が来るのを待つ。
 足下には既に飲み干した烏龍茶の缶が二個。そして手には飲みかけの三個目が。午前から午後へと時が進むほどに、まだまだ強くなるだろう日差しを恨めしく思いながら時計を見る。
 時刻はもうすぐ11時を回ろうとしている。
 
「…………」

 無言のまま、俺は上を見上げた。鳥居の向こう、続く長い階段を。そう、待ち合わせ場所は、寮の麓。階段の前。何でこんな場所でわざわざ待ち合わせするんだ、と言ったら、「先輩は女心がわかっていません」と返された。何故だ。

「…せ〜んぱ〜い〜」

 そんな事を考えていたら、いつもの私服に着替えた宮が階段を駆け下りてきた。駆け下りてとはいえ、踏み外さないように意識してはいるのが丸わかりだ。自分のどんくささは忘れていなかったらしい。まあ出だしでコケたらデート所じゃないだろうしなあ。

「ごめんなさい〜、待ちましたか?」
「ああ、たっぷり30分」
「……先輩、先輩、そこは『いや、今来たところさ』って爽やかに返してくれるところだと思うんですけど」
「待ち合わせの時間ギリギリに来ておいて何を言うかこのたわけ。そんなお約束を宮ごときに返してなどやるものか」

 後、今まで言ったことがないので恥ずかしいという理由もある。

「んふふ〜、まあいいです、それでこそ先輩です」
「何かお前の要望通りのリアクションを返したときより嬉しそうなのが何か悔しいな」
「それは考えすぎですよ〜。さあさ、先輩先輩。早速出かけましょう、楽しいデートの始まりです」
「その前に軽く何か食べようぜ。どうせ商店街に出る頃にはいい時間になるからさ」

 そう言って俺は歩き出す。しかし、何故か腕を取られ後ろに引っ張られる。そこにはやや不満そうな表情を浮かべた宮がしっかりと俺の腕を取っていた。

「先輩、少々お待ちを。大事なことを忘れてませんか?」
「さあ? 財布はあるし宮はいるし、何も忘れていないと思うが」
「腕です。こういうデートの時は腕を組むのが基本じゃないですかぁ」
「ああ、成る程」

 確かに、恋人同士がデート、というのであれば、手なり腕なり繋いだり組んだりするのが普通……か? いやあくまでそういうのが多いだろうが基本ではないと思うんだが。しかし、このお嬢様はどうやらそれをご所望らしい。しかし、

「暑苦しいから嫌だ」
「ああっ!? 一言で否定するなんて!」

 何というか素直に聞いてやれない俺。やっぱ宮は天性のMっ娘だよなあ…。虐げれば虐げるほど輝く女だ。
 と、流石にそのまま放置してたら膨れっ面を始めたので、譲渡して手だけは繋いでやる事にした。商店街に入る直前で離したら、ぽかぽかされたけど。いや、だってここで俺の面ってモロバレだし、あんまあからさまなこと出来ないって。




 んで――食事を済ませた俺らが来たところはというと。

「海だな」
「海ですねぇ」

 あんまり人気のない海岸だった。日差しが強いとはいえ、少々風も冷たくなってきた今では海水浴という雰囲気でもない。シーズンが過ぎれば、人気なんて消え失せるのが、この南栄生島。だとしたら、何故宮はこんな場所に来たがったのだろう。

「で? 何でこんな場所をセレクトしたのか是非、宮の意見を聞きたいのだが」
「それはですね、海を眺めながら二人で愛を語らおうと…あいたぁっ!?」

 とりあえず全然本気ではないくせに、あっけらかんと下らん内容を語る口を塞ぐべく、俺は黄金の右を取り出した。ふふふ、どんな生意気な犬もイチコロの俺の自慢の右だ。

「おーおー、下が砂地だからよく沈むなあー。ほうれ、縮め縮んでしまうがいいー」
「い、いたっ、いたっ! せんぱい、先輩ぃ!? なんだかいつもより力が…いたたたた!」
「前置きはいいから本題に入れ」
「じ、実はここなら誰も来ないから先輩と思う存分イチャついてもいいかななんて……い、いたっ、いたたっ!? 足っ、足が沈みますっ! 本題を話せって言ったのは先輩じゃないですかぁ〜!」

 ぎりぎりぎりぎり
 前回より二割り増しの力で、宮を頭から押さえつけてやる。今宵の右手は血に飢えておる…
まだ昼間だけど。

「恐らくそれは本題なんだろうが、何で海なんだよ」
「ひ、酷いですっ、先輩っ。わたしの本音だと知りつつも手に込める力を緩めていただけないなんて…」
「ああ、素直に解放してやるのも何かつまらないからな。で、何で海なんだよ」

 とりあえず手を離さないと、話すことも話さないだろうと思うのであっさり手はどける。ここら辺のさじ加減がまた難しいんだよなー。虐められ足りないとそれはそれで不満そうになるし。

「恋人と言えば海! 海と言えば定番のシチュエーション! 先日先輩に言われて思ったんです。確かにわたし達はマンネリという言葉が似合うほど定番のおつきあいなどしていないと。いえ! それこそ定番のコミュニケーションすら取って無いじゃないですか」
「待て、お前の言う定番のコミュニケーションって何?」

 何か例えようもない不安というか悪寒がするんだが。こう全身を毛虫がはい回っているような怖気がわき上がるようなそんな感じが。

「先輩、わたしにあーんってしてくれないじゃないですか」
「うわ…」

 いくら二人きりとはいえ、あれは相当恥ずかしいのだが。まあ、あの時(以前爺ちゃんの家の倉庫での事だ)は照れ隠しもあって拒否したのだが、あれは定番か?
 ……定番かもなあ。

「他にも朝のおはようのキスとか、夜のおやすみのキスとか、二人きりなのに先輩ってば何処か冷めてるんですよね」
「まあ…相手が宮だしなあ」
「ああっ!?」

 実際なんつーか、相手しててこそばゆさを感じるときもあるのだが、なんつーか宮とは違う感情の方が優先されるっつーか、そういう嬉し恥ずかしいイベントよりも、どうも虐めたくなるというか。
 
「今の態度も含めて、先輩は何だかわたしの扱いが一般の恋人に対する扱いからかけ離れているのではないかと、最近気付いたんですよ」

 おほん、と咳払いして宮は言い切った。うんまあ確かに。

「何だよ、いつもの俺の扱いじゃ不満か?」
「いえ、全然。どんなに虐げられても、どんなに酷い扱いをされても、先輩の深い愛を感じるのでそれはいいんです」

 にへら〜と、嬉しそうに宮は語る。本心であることは間違いないだろうが、それだと俺はお前を虐げてしかいないみたいなんだが。

「ふむ、それじゃ何が不満なんだ」
「あれ? 別にわたしは不満なんてありませんよ。ただ、今日はいつもと違う先輩とのコミュニケーションを楽しむために海に来たかっただけです」
「ほう、たとえば?」

 何で知識を入れたのかは知らんが、こいつの口からどんな恥ずかしい内容が語られるのかと思うとちょっと興味がある。……別にエロじゃないからな。

「こういう浜辺で……わたしのような深層の令嬢と二人きり…。あるじゃないですか、わたし達に相応しいとびっきりのシチュエーションが」
「外見は白いが中身が真っ黒のトンデモお嬢だけどな」
「酷いっ!? 茶化さないで真面目に答えて下さいよぉ…」

 とは言うが、ロマンチックというか乙女思考0の俺に何を考えろと?

「悪りぃ、思いつかね」
「……先輩真面目に考えてませんね?」
「あのなぁ、俺に夢見る乙女の気持ちになれって言ったって無理だっての」
「まあ確かにそうです。わたしのこの隠れた愛に気がつくまで時間のかかった先輩に思いつけ、というのは少々難しいことでしたか」

 何かさりげなくムカついたな。えーえー、どうせ俺は鈍かったですとも。

「わたしが、こうスカートの裾を軽く持ち上げて『捕まえてごらんなさい?』って言いながら小走りに駈け出して、それを先輩が『まてよこいつぅ〜』と言いながら追うんですよ」
「寒ッ!? めっちゃ寒っ!?」

 そんなイメージを想像して、俺は気温とは別の何か全身を覆われた。体内を駆けめぐる悪寒は全身を小刻みに振るわせ、まるで全身を痺れさせるように俺から力を奪う。
 そりゃあ確かに、宮とは付き合って間もないし、付き合い始めてからもそんなに優しい対応はしてない。うん間違いなく。けれど、けれど、だ。
 それはいくら何でも違うだろう。
 宮の中でも多分、それが恋人としてのデフォだなんて思っちゃいないだろうが、こいつは多分それこそ甘える、という己の目的を達成するためならばどんな手段でも駆け引きの材料にするつもりだ……! 宮、怖い子!
 だが、まだまだ甘いな、宮。その方法には致命的な欠点がある。

「まあ、お前の中でどんな結論が下されたのか判らんが、俺の意思にかかわらず、お前の提案は多分実現不可能だ」
「そ、そんなっ!? いくら絵的に先輩にあまりにも不釣り合いだとか、わたしばっかり目立つシチュエーションだなあ、とは思いますけど、先輩がそれに耐えてくれれば実現は十分に可能ですよっ!」
「とりあえずお前に言いたいことが二つほど増えたわけだが、お前はやっぱり自分というものを理解してない。だから身体に教えてやる…俺が直々にな……」

 にやり、と自分でも鏡を見たら引くであろう笑みを浮かべて、俺はじわりじわりと宮との距離を詰める。心なしか宮の表情が硬くなってきた。

「あ、あの〜先輩、先輩? 何で近づくだけなのに手が怪しげな動きを?」
「気にするな、オプションだ」
「何のですかっ!? それ以前にわたしまだ走り出してもいないんですけど!?」

 む、確かにそうだな。これだと人気のない海岸で見た目だけは清楚なお嬢様を襲おうとしている変質者と変わらない。
 
「わかったわかった。じゃあお前の言うシチュを再現してやるから逃げてみろ」
「ほ、本当ですか!?」

 まるで曇りのない笑顔で尋ねてくる宮の笑顔を見ると、少々罪悪感がわき上がる。まあ、すぐに判ることだからいいか。

「ああ、だからやってみろ。すぐに無理だと判る」
「むぅ〜、何故そこまで断言するのか判りませんが、先輩の許可があるなら遠慮は要りませんね」

 言うが早いか、宮はそっとスカートの裾を持ち上げて、振り返り気味に俺を見る。その笑顔は悪戯っ子が浮かべる楽しそうな表情で、満面の笑みに満ちている。

「先輩、先輩、わたしはこっちですよ〜、捕まえてごらんなさ〜い」
 
 と、お決まりの台詞をまあ嬉しそうに言って駈け出す。その小走りは確かにお嬢様風で、あいつのイメージした通りなんだろうが…。
 俺も答えるように手を上げて、宮の後を追った。たまに後ろを振り返りながら走る宮。心底楽しそうだが…俺の予想では数分も持つまい。

「せんぱ〜……きゃっ!?」

 バランスが安定しない走りにくい砂浜、おまけにサマーサンダル履きで後ろを振り返りながら走るという行為を、宮の運動能力で行うには要求する内容のレベルが高すぎた。貝殻に躓いたか砂に足を取られたか、つんのめるように宮は砂浜に転んだ。この辺りの海岸は掃除が行き届いているから、不届きな者が捨てたゴミなどで怪我をすることはあるまい。

「ほらな、言ったとおりだろ? お前のどんくささでそんな高レベルなシチュエーションを再現出来るはずもない」
「う…ううぅ〜、は、反論できません〜」

 砂地に尻餅をついたまま、宮は涙目で俺を見上げた。
 周りから聞こえるのは波の音だけ。僅かに吹く風が、宮の銀の髪を優しく揺らす。それは、今まで見たことのない宮の姿。
 ああ、こいつやっぱ、運はいいのかもな。

「けどまあ」
「はい?」
「いつもと違う姿って奴は見られたかもな、お前の思惑とは違うけど」

 宮は何のことかわからず首を傾げるばかり。そりゃそうだ、気付くはずもない。近すぎてるから、見慣れてるから、そしてそれが当然だと思ってたから。改めて思うことはあんまりなかった。

――こいつ、やっぱ可愛いよな。

 砂にまみれて、お嬢様とは思えないどんくささで、しかも豪快に転ぶような英国人の血が入っているとは思えんこいつだが。

「うう〜、先輩…せめてここは優しく抱き起こしてください」
「本当めげないね、お前…」
「それは先輩が優しくないからです。わたしはこんなに懐いているのにー」
「甘えるなうっとうしい」
「先輩、だっこだっこ♪」

 全く聞きやしない宮の要求通り、砂浜から宮を抱き上げた。ちゃっかり首に手を回して抱きつきやがる宮は、今日で一番の笑顔を浮かべていた。
 はあーあ、何かマンネリがどうとか言ってたけど…、結局いつも通りコイツに乗せられただけじゃないのかな、今日の俺。
 けどまあ、この柔らかくて暖かい、俺の腕の中に収まっているお嬢様の、

「先輩〜♪」

 笑顔を見ると何も言えない俺だった。
 そんな俺達をやれやれと、言いたげな風が通りすぎていく。
 六条宮穂という少女を育んだ舞台に吹く、優しい風だった。














「重い、降ろすぞ」
「ああっ!? 女性に対して言ってはいけない台詞ナンバーワンの台詞をあっさりと!?」

 最後はやっぱり俺達らしく。





作者コメント

 な、何とか書き上げた、ってレベルですいません。しかし、俺のSSはなんというか「本筋にはあんまり関係ないけどこんなイベントあったって言いじゃん」というコンセプトが多いので(この青は特に)なんか身も蓋もない日常編って感じになっちゃいました…。
 ぶっちゃけると他の人のSSを見るのが怖いです。自分の稚拙さが浮き彫りにされそうで。
 しかし、そんな気分は祭りに参加できたことで吹き飛ばそうと思います!
 なんだかんだでやっぱ宮ラブなworldの短いSSですがどうぞお納め下さい。

Written by world