召喚のしすぎで手狭になってしまったカルデアの住宅事情を改善するために、用意された空間、
 人理継続保障機関フィニス・カルデア番外固定空間出張施設――通称『めぞんカルデア』
 数ヶ月が過ぎ、そこでの生活にもだいぶ慣れてきたころなのだが。


「こんなところにも人理焼却の影響が……」
「冬ならこんなものでは」
「アンタまた適当なことを」
「いえ、日本の冬ならこんなものかと」
「おお、主よ」
「拙者の時とメドゥーサ殿の時で態度が違いすぎる件について」
「普段の行いを省みなさい」


 冬は寒いのである。
 しかもめぞんカルデアは控えめに言ってもおんぼろアパートなので、すきま風が身にしみる。
 そんな過酷な環境に対抗するため、住人たちも何もしていないわけではない。
 聖女マルタはマスターを始めとした住人たちを救うため、カルデアの倉庫に放置されていたこたつを持ってくる。


「しかし、よく使えるこたつがあったね」
「どうやらドクター・ロマンが以前使っていたものらしいんですけど」
「ああ、そういや正月に使ってたっけ」
「それが壊れてしまったらしく」
「えっ、直したの?」


 まさか家電製品の修理もできるとは。聖女の奇蹟に果てはないのか――


「ここんところを、約六〇度の角度で殴るのがコツです」
 ずいぶん物理的かつ直接的な奇蹟だったけど、なんだかとっても安心した。
「あっ、はい」
「もはや昭和のオカンでござるな」
「アンタはとっとと自分の部屋に戻れ」
「この聖女さま、少しばかり心が狭くござらんか」


 宝具『こたつ』と宝具『どてら』をフル活用し、寒さと戦うサーヴァントたちとマスター。
 彼らは無事に過ごすことができるのか。


「あ、雪だ」
 窓の外では、白い雪がちらほらと舞っていた。
「……雪!?」


 突然の雪、そしてより厳しくなる寒さ。
 それに対抗するために、さらなる宝具を解放し、彼らは戦い続ける。



「ここでシチューやポトフではなくおでんなあたり、マルタ殿は本当に西洋のサーヴァントなのか疑わしくなってきますな」
「文句あるなら食わなくていいのよ」
「冗談でござるよぉ~」


 戦いの末に待つものは、なんなのか。


「食事はさておき、雪見酒とか乙でござるなあ」
「ないわよ」


 果たして、無事に夜を明かすことはできるのか。



 文章:右近  表紙:灰男マン(pixiv

 タイトル:めぞんカルデア
 サイズ:A5二段組 本文38ページ
 頒布予定価格:500円

 本文サンプル:(pixiv

 今回もFGO本です。というか一応夏に出した本の続きっぽい感じです。
 タイトルのネタをわかってくれる人は、どれくらいいるのかという不安に震えつつ。
 舞台設定引き継いでるだけで、読んでなくてもさして困らないとは思いますが。
 あと今回はサブタイで想像がつくかもしれませんが、一応マルタさんがメインな感じのつもりです。
 例によって、基本的に表紙の四人がぐだぐだ駄弁ってる感じではだけど。
 原稿期間中に我慢しきれずFGOの7章をクリアしちゃって割とピンチだったけど、一応完成して支払手続きまでは済ませたので当日は本があるはずです。

 そんなわけで、12/31(土)東プ-34a「裸Yシャツ友の会」までお越し下さい。
 今回はまーさんのとこと合体スペースになっているので、そっちのついでに覗いてくれる感じでいいと思う。
 一応前の話ってことになってる夏の本も少部数持ち込みますし、既刊の艦これ川内本なんかも持ち込むのでよろしくお願いします。


 売上の一部というか大半はFGOのガチャ回すことで一時製作元に還元する方向で。

※2017.1.25追記
 C91で無事完売しましたが、うっかり自分の分まで売ってしまったので再販しました。
 とらのあなさんで書店委託してもらってますが、部数少ないのでweb通販のみかも。
 こちらからどうぞ→

 DLsite.comさんでDL販売も始まっていますので、そちらもどうぞ。内容はいっしょです。
 こちらからどうぞ→


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